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第一回探索 京大文学部東館

レポート執筆:あうすて

探索調査:あうすて、さめがめ

文献調査:ほりゆ

はじめに

京都大学構内には様々な学生運動の表現物・表現者が存在する。ビラ、看板、あるいはメガホンで主張する者……。

それら全部の表現は、「自由の校風」の中にあって過去の運動の伝統を受け継ぎながらも、半ば時代に合流するかたちで我々に理解しやすく、接しやすく変化してきたような感想を抱かせる。

 ところが、京大構内に「昭和の香り」を残しつつ現存する場所があるという。

それは、文学部東館と呼ばれる校舎であり、まさに我々の最初の探索にうってつけであるといえた。

わがサークル結成当日にして行った本調査のあらましをここに記録したい。

調査メンバー

 本探索調査を行ったのはあうすてとさめがめである、という風に上述してあるが、これは不正確である。

実際には、わがサークル非加入者である文学部1回生および法学部1回生の友人が同行した。誤解の無いように、ここに述べておく。

 また、サークル加入者のほりゆが独自の文献調査を行い、文学部東館の基本データを整理したので紹介したい。

文学部東館 概要

推移
昭和11年(1936)9月第1期工事完了。この時は西側部分のみ3階建て。
昭和40年(1965)3月増築工事竣工。西側部分を4階にし、建物が口字型になる。また以文会の寄付で中庭に噴水ができる。
平成5年(1993)吉田キャンパス建設計画により、東館は2003年までに取り壊されることになった。しかし、他キャンパス整備のため、また強固な反対にあい未だにその姿をとどめている。

上の図のBが文学部東館である。

探索調査@

 2015年7月6日月曜日、5限を終えすぐに調査に向かった。

この時いたのはあうすてと、文学部の友人である。

校舎の外観はこれといって異様な雰囲気は無い。

だが、入り口付近をよく見ると、監視カメラが布で覆われていた。

この覆いが何を目的としたものなのかは判然としない。

 さて東館の「異様」と言われる所以はその地下にあると言うので、さっそく地下に向かうことにした。

地下に通じる階段。

過激な主張。

地下の外観。左の壁にある扉から中に入る。

 中に入って左手は光が入らず、暗い。ランプがいやに明るく光って見える。

 右手側には明かりが灯っており、視界明瞭である。

 食器などが積まれており生活感を覚えるものの、備品はおしなべて古く汚れている。

 時間の関係上、最初の探索はここで打ち切ることになった。

 その後、午後10時半頃に再びメンバーが集まり、東館に向かった。

この時探索を行ったのは、あうすて、さめがめ、法学部の友人である。

探索調査A

あうすて、さめがめ、法学部の友人が集結し、文学部東館へと向かった。

 ここで我々は、最初の奇妙な現象に遭遇することになる。

 上の画像は文学部東館の中庭であり、中央は喫煙スペースとなっている。

我々がここに来た時、1人の中年男性が喫煙スペースでタバコを吸っていた。

 我々は彼の姿を気にすることなく調査を開始し、画像の右側にある赤い冷蔵庫に気づいてそちらに向かった。

 汚れているものの、特におかしな点の無い冷蔵庫であった。

何の変哲も無いこの冷蔵庫を我々が眺めていたのは10数秒程度であったのだが、次の瞬間振り返った時、先ほどまでタバコを吸ってくつろいでいた中年男性は忽然と姿を消していた。

 我々3人は、彼が移動する姿を見なかったどころか、その移動の気配に気づくことすらなかった。

また、一見この中庭の出口は我々の付近にしか無かったようであるが、となると彼が中庭を出るには我々の近くを通り抜けるしかなかったはずである。

 では何故、彼はほんの10数秒で、しかも我々に気づかれることなく姿を消すことができたのだろう。

その真相は誰も解明できなかった。

 さて、中庭を観察してみると、いくつかの発見があった。

1円玉を供えられた像。

 大量の小銭、栗、貝殻を供えられた切り株。

 誰が置いていったのかは、分からない。

 そして再び、我々は地下へと進んだ。

地下扉を抜けて左側、例のランプのある通路を奥に進んだ。

 見るからに怪しい扉があったので開けようと試みたが、かたく閉ざされておりびくともしなかった。

また右側の壁に、他の落書きとトーンの異なる落書きを発見した。

 勝利を願う熱烈な主張でありながら、このように薄い色を選択した理由は何だろうか。また、よく見ればこの壁自体がとても白く、新しく見えた。

 それはまるで、もともとここに書かれていた、あるいは刻まれていた何かを隠そうとしているかのようであった。

 

 我々はここで引き返し、地下扉右側の通路に向かった。

 こちらで目立ったのは、学生運動の連綿たる伝統を受け継いできたことを思わせる多くの落書きであった。

 また、大きなぬいぐるみが乱雑に箱の中に押し込められていたのを発見した。

 例によって相当古く、汚れている。

首に5円玉をかけた意図が気になるところ。

 

 

 最初の探索と同様に食器などの家具が並んでいたが、この時さめがめの証言によって、3日前にも食器が全く同じように置かれていたことが分かった。

生活感があるのか無いのか、といったところである。

 そうして、通路の探索を終え、我々は地上に戻った。

 

本探索の講評・結論

 文学部東館は、確かに今の時代からかけ離れた空間であった。

地下から出て東館の周りを見るとそれが実感できる。

 今回は地下の通路についての調査結果を報告したが、文学部東館に存在する他の奇妙なスポットについても、おいおい調査報告を公開していきたい。

参考文献

『京都大学文学部の百年』京都大学大学院文学研究科・文学部

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